日本初の緊急避妊薬市販化が実現
国内で初めて、望まない妊娠を防ぐ緊急避妊薬(アフターピル)の市販が2日から始まる。この歴史的な変化により、これまで医師の処方箋が必要だった緊急避妊薬が、薬局やドラッグストアで直接購入できるようになります。
第一三共ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区、社長:内田高広、以下「当社」)は、日本初(※)となるOTC緊急避妊薬「ノルレボ®」(要指導医薬品、以下「本製品」)を2026年2月2日(月)に新発売します。この発売により、女性のリプロダクティブヘルスにおける選択肢が大幅に拡大されることになります。
具体的な販売内容と価格
市販されるのは、第一三共ヘルスケア(販売元)の「ノルレボ」で、希望小売価格は1錠7480円。性交後72時間以内に1錠服用することで、約8割の確率で避妊できる。
ノルレボは、薬剤師の面前での服用が必要なお薬です。自宅などに持ち帰って服用することはできません。このシステムにより、適切な使用を確保し、安全性を保つ仕組みが整えられています。
購入の流れと条件
- 処方箋不要での薬局・ドラッグストア購入
- 研修を修了した薬剤師による説明と面談
- 薬剤師の面前での服用
- 年齢制限なし(未成年でも本人の意思で薬剤師と面談を行い、購入・服用が可能)
- 本人購入のみ(代理購入不可)
ビジネス視点:医療・薬局業界への影響
当社の調査(*7)によると、18~49歳の日本在住女性のうち、1年以内に性行為の経験がある方が約1,025万人(*8)。そのうち、予期せぬ妊娠のリスクを経験した方は約210万人(*9)と、性行為経験者の5人に1人の割合に上ります。
この市場規模から考えると、年間約210万人の潜在的需要者が存在し、1錠7,480円という価格設定を考慮すると、約150億円規模の新たな市場が創出される可能性があります。
薬局・ドラッグストア業界への機会
- 新規顧客獲得機会の拡大
- 専門的な健康相談サービスとしての差別化
- 薬剤師の専門性向上による付加価値創出
- 女性向けヘルスケア商品との相乗効果
消費者・生活者への影響
市販化による最大の効果は、アクセスの大幅な改善です。これまで「#なんでないの プロジェクト」とNPO法人ピルコンが行った調査を通じ、主に3つのハードルが見えてきているとされ、物理的ハードル、心理的ハードル、費用のハードルが挙げられています。
改善されるメリット
- 時間的制約の解消:休日や夜間でも薬局営業時間内であれば購入可能
- 心理的負担の軽減:医療機関受診による心理的抵抗の軽減
- プライバシー保護:医師への相談が不要となることでプライバシー確保
- 迅速な対応:72時間以内という時間制限内での素早い対応が可能
専門家の見解
緊急避妊薬のOTC化は、望まない妊娠を防ぐための大切な一歩と考えています。それはすなわち、女性自身が望む人生を手に入れるための大切な一歩でもありますと、産婦人科専門医からは歓迎の声が上がっています。
一方で、慎重派の意見も存在します。産婦人科医会の前田津紀夫副会長は、緊急避妊薬を服用しても妊娠する可能性はあること、また薬局では他の避妊方法を伝えることが十分にできない、悪用したい人にとっても敷居が下がる、などを理由として慎重派としての意見を述べています。
国際比較:海外との違い
日本のこの動きは、国際的な潮流に追いつく重要な一歩です。2021年時点で、緊急避妊薬は約90か国で薬局での購入が可能だという。そのうちドイツ、イギリス、イタリアを含む約76か国では処方箋の必要なく、薬剤師の説明を受ければ入手できる。また、アメリカ、カナダ、フランスなど約19か国は、薬剤師を介さずOTCとして購入できる。
価格面での国際比較
価格に関しては、おもな先進国を示し、イギリス、フランスは約900円、オーストラリアは約1,100~4,000円、ドイツは約2,200円、カナダは約2,400~4,200円、アメリカは約4,200~5,300円ほどとなっており、日本の7,480円は国際的に見ても高価格帯に位置します。
無料提供の取り組み
「避妊の無償化の取り組みも広がっており、例えばフランスやイギリス、オランダ、スウェーデン、ドイツ、ノルウェーなどの一部の学校や病院などでは、緊急避妊薬を無料で入手できる国も増えつつあります」と、海外では更なるアクセス改善が進んでいます。
今後の展望
市販化拡大の可能性
当社では本製品の発売にあたり、厚生労働省が公開予定のリスト(*6)をもとに、取扱店舗の検索をサポートするシステムの公開に向けて準備を進めており、緊急避妊薬へのアクセス向上を目指してまいります。
社会への長期的影響
- 人工妊娠中絶数の減少:日本における人工中絶は年間約13万件(*10)行われており、近年、特に若年層における件数が増加傾向にあることも問題視されています
- 性教育との連携:避妊や性と生殖に関する健康教育の重要性増大
- 女性の自己決定権向上:リプロダクティブ・ライツの実現に向けた重要な一歩
課題と注意点
- 適切な使用方法の普及啓発
- 薬剤師への研修体制の充実
- 他の避妊方法への理解促進
- 性教育の更なる充実
まとめ
緊急避妊薬の国内初市販化は、日本の女性の健康と権利において歴史的な転換点となります。主要なポイントは以下の通りです:
- アクセス革命:処方箋不要で薬局購入可能となり、時間的・心理的ハードルが大幅に軽減
- 市場創出:年間約210万人の潜在需要者に対応する新たなヘルスケア市場の誕生
- 国際標準への接近:世界約90カ国で実施済みの薬局販売に日本も仲間入りし、女性の自己決定権向上に寄与
この変化は単なる薬事制度の改正を超えて、日本社会における性と生殖に関する健康と権利(SRHR)の実現に向けた重要な一歩となることが期待されます。
参考情報
- 時事ドットコム - 緊急避妊薬、2日から市販開始 国内初、薬局で入手可能に
- 第一三共ヘルスケア - 日本初のOTC緊急避妊薬「ノルレボ®」を新発売
- 第一三共ヘルスケア - 緊急避妊薬 ノルレボ公式サイト
- ファーマスタイルWEB - 試験販売後の独自アンケート調査や海外との違いから課題を考える
- Wikipedia - 緊急避妊薬
著者プロフィール
伊東雄歩(いとうゆうほ) / ゆぽゆぽ
株式会社ウォーカー代表取締役 / MENSA会員 / NLPマスタープラクティショナー
IQ130超のADHD経営者。「社会不適合」ゆえに会社員を2年で挫折し、フリーランスを経由せずいきなり起業。訴訟4回、2000万円の損失、役員の裏切り、オフショア開発の地獄を乗り越え10年生き残る。心理学・教育学に1000万円投資し、独自の「成長力学」を確立。現在は生成AI教育に注力し、「3年を2日に変える」AIプログラミング2Daysキャンプを全国展開中。AIフレンズコミュニティを運営。
夢は「世界征服」——世界の常識を変え、新しい価値観を提示すること。
