画期的な市販化が遂に実現
2026年2月2日、望まない妊娠を防ぐために性交後に服用する緊急避妊薬「ノルレボ」が、処方箋不要の市販薬として全国約7千店の薬局やドラッグストアで買えるようになりました。 これにより、緊急避妊薬へのアクセス向上に寄与する重要な一歩となります。
緊急避妊薬はアフターピルとも呼ばれ、性交から72時間以内の服用で8割以上の確率で妊娠を防げます。海外では多くの国で市販されているが、国内では医師の診察と処方箋が必要でした。 この制度変更により、女性の緊急避妊への選択肢が大幅に拡大されることになります。
販売の詳細と条件
販売価格は1錠7,480円(税込)で、薬剤師の面前での服用が条件となっています。 販売は、プライバシーへの配慮や産婦人科との連携といった要件を満たす店舗でのみ可能で、オンライン販売はありません。
購入可能な店舗と地域格差
購入できる約7千店の一覧は厚生労働省がホームページで公開しており、店舗名のほか、薬剤師の人数や性別などを確認できます。 ただし、薬局数には大きな地域差があり、1都道府県に数店舗しかない地域も散見されます。
例えば北海道では、旭川と函館の8店舗にしか取り扱いがなく、政令指定都市である札幌市内の薬局はない状況です。 アイン薬局グループは全国約1,000店舗での販売を開始し、早期に全国約2,100店舗での販売実現を目指しています。
ビジネス視点:医療・薬局業界への影響
製造する「あすか製薬」が市販薬の承認を取得し、厚労省は対面販売を条件とする「特定要指導医薬品」に指定しました。 また、厚労省の専門部会は同日、ノルレボと成分が同じ後発薬「レソエル72」も、同様に特定要指導医薬品に指定することを了承し、今後市販薬化に向け承認の手続きが進められます。
薬局業界では、専門研修を修了した薬剤師の配置や産婦人科との連携体制構築が必要となり、これらの要件を満たせる大手チェーンが先行して販売を開始しています。一方で、小規模薬局では研修体制や連携構築のハードルが高く、参入時期に差が生じる可能性があります。
消費者・生活者視点:女性の選択肢拡大
当社の調査によると、18~49歳の日本在住女性のうち、1年以内に性行為の経験がある方が約1,025万人で、そのうち、予期せぬ妊娠のリスクを経験した方は約210万人と、性行為経験者の5人に1人の割合に上ります。
今回の市販化に伴い、パートナーや親の同意が不要であること、年齢制限が設けられなかったことは、女性が自分自身の判断で緊急避妊を選択できるという点で大きな前進といえます。
課題と懸念
今回市販化されたノルレボの1錠でメーカー希望小売価格が税抜き6,800円(税込7,480円)とされており、保険適用はなく全額自己負担となるため、経済的な負担が決して小さくない点は課題の一つです。
副作用としては、頭痛、腹痛、吐き気、不正出血などが報告されており、服用後に強い症状が出た場合や体調の変化に不安がある場合には、速やかに医療機関を受診することが勧められます。
専門家の見解
JR新宿駅近くのドラッグストア「ウエルシア」の店舗では、2月2日午前8時から販売を開始し、約20人の薬剤師全員が研修を修了した管理薬剤師の的野雄介さんは「女性薬剤師もおり、プライバシーや女性の気持ちに配慮した対応をしたい」と話しています。
年齢制限を設けない制度だからこそ、薬剤師による丁寧な説明や、必要に応じた医療機関への受診勧奨が重要になります。 研修を受けた薬剤師が、正しい服用を促し、その後の対応方法等、多職種と連携しサポートしていく体制が整備されています。
国際比較:海外での状況
レボノルゲストレルは、世界90ヶ国以上で医師の診察による処方箋が要らない市販薬(OTC医薬品)やBPC医薬品として、薬局で入手できます。 実際、緊急避妊薬は現在世界約90ヶ国で数百円から数千円程度で薬局入手が可能です。
フランスでは、18歳未満の女性は匿名で無料で入手可能で、18歳以上の女性も健康保険証を提示すれば無料で受け取ることができます。こうした無償提供や公的補助を行う国は年々増えており、緊急避妊薬は必要な医療として認識されています。
海外では国や保険制度によって差がありますが、日本の約半額〜3分の1程度で入手できることが多く、特に公的保険が整っている国では、無料または低価格で提供されるケースもあります。
今後の展望:アクセス改善への期待
約8年の時を経て厚生労働省の薬事審議会で一定の条件のもと、緊急避妊薬のスイッチOTC化の方針が了承されました。なお、同じ検討会議で「勃起不全(ED)治療薬」は半年で議論が終わったのと対照的でした。
2023年1月の市販化についてのパブリックコメントでは、賛成の意見が約4万5000件、反対の意見が約300件で、全体の約97%が賛成する内容でした。 この圧倒的な市民の支持が、今回の市販化実現につながったと考えられます。
WHO(世界保健機関)によると、緊急避妊薬のアクセス改善は、無防備な性行為や性感染症の増加にはつながらないとしており、 今後のさらなる普及と利用環境の改善が期待されます。
まとめ
- 歴史的な一歩:2026年2月2日、日本で初めて緊急避妊薬の薬局販売が開始され、女性の選択肢が大幅に拡大
- 課題も残存:価格7,480円の経済負担、地域格差、専門研修を受けた薬剤師の配置など解決すべき課題あり
- 国際水準への前進:約90カ国で市販化が進む国際的潮流に日本も追いつき、今後のさらなる環境整備が期待される
参考情報
- 緊急避妊薬「ノルレボ」の薬局販売開始 全国7000店、地域で偏りも - 日本経済新聞
- 要指導医薬品である緊急避妊薬の販売が可能な薬局等の一覧|厚生労働省
- 日本初のOTC緊急避妊薬「ノルレボ」を新発売 | 第一三共ヘルスケア株式会社
- 緊急避妊薬 薬局販売へ──市民の声が動かした一歩と残る課題 - Yahoo!ニュース
- 緊急避妊薬 - Wikipedia
著者プロフィール
伊東雄歩(いとうゆうほ) / ゆぽゆぽ
株式会社ウォーカー代表取締役 / MENSA会員 / NLPマスタープラクティショナー
IQ130超のADHD経営者。「社会不適合」ゆえに会社員を2年で挫折し、フリーランスを経由せずいきなり起業。訴訟4回、2000万円の損失、役員の裏切り、オフショア開発の地獄を乗り越え10年生き残る。心理学・教育学に1000万円投資し、独自の「成長力学」を確立。現在は生成AI教育に注力し、「3年を2日に変える」AIプログラミング2Daysキャンプを全国展開中。AIフレンズコミュニティを運営。
夢は「世界征服」——世界の常識を変え、新しい価値観を提示すること。
