2月10日の東京市場で日経平均株価が前日比1286円高(2.28%高)の5万7650円で終了し、連日で史上最高値を更新した。衆議院選挙での自民党勝利を受けて日経平均が史上最高値を更新、一時5万7300円台まで上昇し、市場は「高市トレード」の再開と湧いている。
史上最高値更新の背景と市場の反応
今回の株価急騰の要因は複合的だ。衆院選では自民党が単独で定数の3分の2を確保した。高市早苗首相が財政拡張的な政策を進めやすくなるとの思惑を手掛かりに、ヘッジファンドなど海外投機筋の資金流入が続いた。
特に注目すべきは、海外投資家の動向だ。9日の米株式市場で半導体株やソフトウエア株が買われた流れを引き継いだ。高市早苗首相が推し進める成長戦略に着目した買いも続いている。これにより、日経平均先物への断続的な買いや売り方の買い戻しが加速し、400円あまり上昇して始まった日経平均は前引けにかけて一方的に上げ幅を広げる展開となった。
企業・経営者にとっての意味
今回の株高は企業経営にとって重要な転換点となる可能性が高い。主要企業の経営者20人に2026年の株式市場の見通しを聞いたところ、全員が日経平均株価の最高値を超えると回答した。26年の高値予想の平均は5万7350円となったという調査結果が出ており、経営陣も強気な見通しを持っている。
企業にとって資金調達環境の改善は大きなメリットだ。株価上昇により時価総額が拡大し、新規投資や事業拡大への資金調達が容易になる。また、自社株買いによる株主還元策も実行しやすくなり、コーポレートガバナンス向上への取り組みも加速すると予想される。
一般消費者・生活者への影響
株価上昇は一般市民の生活にも波及効果をもたらす。資産効果により個人投資家の資産価値が向上し、消費マインドの改善が期待される。NISA制度の普及により株式投資を始めた個人投資家にとって、含み益の拡大は家計にプラスの影響を与える。
一方で、企業業績の改善により雇用環境の安定や賃上げ圧力の高まりも予想され、働く世代にとってもメリットが大きい。ただし、インフレ圧力の高まりにも注意が必要で、物価上昇が賃金上昇を上回る場合は実質所得の減少につながる可能性もある。
専門家の見解と市場分析
金融専門家は今回の株高を積極的に評価している。「積極財政と重点成長戦略が企業の投資活動を活発化」(マリン・ストラテジーズの香川睦さん)、「高市政権の成長戦略への期待」(ピクテ・ジャパンの糸島孝俊さん)という声が聞かれる。
野村證券の専門家は海外投資家は年初から11月末までで3.7兆円買い越していますが、それでもなお、グローバル株に対する時価総額比では日本株は大幅アンダーウェイトの状況であり、25~30兆円の買い越し余力が残っていると考えられますと分析している。
JPモルガンの分析では、海外の投資家からすると「日本株式の割高感が際立っている」という状況ではありません。実際に、世界の中心である米国株式と日本株式の相対バリュエーションを見てみると、むしろ足元の日本株式は相対的な割安感が強いことが指摘されている。
国際比較と海外動向
2026年の日本株は、少なくとも過去35年余りで最高の滑り出しとなった。米国市場と比べた割安感などから海外投資家や個人投資家の買い意欲が旺盛という状況だ。
アメリカではAI関連株の好調が続いており、この流れが日本市場にも波及している。AI産業の急速な成長が挙げられます。AI関連企業の業績拡大が市場に織り込まれ、投資家の関心も高まりましたとの分析もある。
欧州市場との比較では、日本、欧州、アジアのパフォーマンスはこれまではあまり大きな差がありませんでしたが、この3年間で、変化が起きています。日本は欧州にほとんど負けなくなっている状況が確認されている。
今後の展望と注目ポイント
短期的には、連日の急上昇で高値警戒感が意識されたほか、11日は東京市場が祝日で休場となることもあり、上値では利益確定売りが出やすかったという調整局面も予想される。
しかし中長期的な見通しは楽観的だ。トップダウンでみたTOPIX(東証株価指数)のEPS(1株当たり利益)見通しは、2025年度:前期比+3.2%、2026年度:同+14.3%、2027年度:同+9.8%という予測が示されている。
政策面では、高市政権での財政拡張的な政策や海外の地政学的リスクも背景に企業の国内設備投資が促進され、国内の景気・企業業績にプラスに働くとの期待が高い。
注目すべきリスク要因としては、日銀の追加利上げ」と聞くと、未だに昨夏の利上げ後の円急騰と「令和のブラックマンデー」を思い出し、日本株式への投資に慎重になる海外投資家の動向や、為替変動の影響が挙げられる。
まとめ
今回の日経平均株価の史上最高値更新は、以下の3つの重要なポイントに集約される:
- 政治的安定感:高市政権の自民党大勝により、財政拡張政策への期待が高まり海外投資家の買いが殺到
- 構造的変化:日本企業の資本効率改善やコーポレートガバナンス向上が評価され、長期投資対象としての魅力が向上
- 国際的な割安感:米国株と比較した相対的な割安感により、グローバル投資家の関心が日本市場に集中
市場関係者は「アベノミクス時など衆院選を通じて政権運営の基盤が強化された際には株価の上値追いが続くことが多く、今回も当面は株高傾向が継続する公算が大きい」と分析している。
参考情報
- 日経平均株価3日続伸し最高値、終値は1286円高の5万7650円 - 日本経済新聞
- 日経平均が史上最高値、自民大勝で高市トレード再開 - Newsweek
- 2026年の日本株の見通し専門家106人のうち64%が「強気・やや強気」 - ダイヤモンドZAi
- 2026年も日経平均株価の上昇を予想 - 野村證券
- 2025年と2026年の日本株式の見通し - JPモルガン
著者プロフィール
伊東雄歩(いとうゆうほ) / ゆぽゆぽ
株式会社ウォーカー代表取締役 / MENSA会員 / NLPマスタープラクティショナー
IQ130超のADHD経営者。「社会不適合」ゆえに会社員を2年で挫折し、フリーランスを経由せずいきなり起業。訴訟4回、2000万円の損失、役員の裏切り、オフショア開発の地獄を乗り越え10年生き残る。心理学・教育学に1000万円投資し、独自の「成長力学」を確立。現在は生成AI教育に注力し、「3年を2日に変える」AIプログラミング2Daysキャンプを全国展開中。AIフレンズコミュニティを運営。
夢は「世界征服」——世界の常識を変え、新しい価値観を提示すること。
